2018年06月08日

結愛ちゃんのメモ

目黒の虐待死から目をそらしていました。
メモの存在を知ってからますます触れてはいけないと思っていました。
見たら悲しくなるに決まっているからです。
ニュースも見ずに数日すごしました。
しかし、昨日、メモを読みました。

メモを読み終わった後、予想をはるかに越える絶望感に襲われました。
五歳児が、あれを書いたと思うと、居たたまれません。
五歳の頃の私は、字なんて書けませんでした。
虐待される子は、いつも大人びています。
両親に子供でいることを許されないからです。

結愛ちゃんのメモを見て、あの二人は何も感じなかったのでしょうか……
はらわたが煮えかえりました。

ただ、これは両親だけの問題でもありません。
私には十二歳離れた妹がいます。
昨日はことあるごとに幼い頃の妹のことを思い出しました。
五歳の頃なんて最高に可愛いかったです。
目に入れても痛くないとは、こう言う気持ちなんだと高校生で思いいたりました。
同時に誘拐されないかとか、帰り道に怪我をしないかとか常に心配でした。
兄という立場でさえそうなのですから、親ならもっと強い愛着を持つのではないでしょうか?

そんな妹との思い出で、忘れられないことが一つあります。
妹が座っている私の頭を急に殴ってきたことがありました。
三歳ぐらいでとても嬉しそうな顔をしていたので、妹にとっては遊びの一貫だったのだと思います。
ですが、私は瞬間的に妹の頭をポンと叩いてしまいました。
そして、「人を叩いたらダメ」と伝えて、抱き締めて謝りました。
妹が叩いてきたのはそれが始めで最後でした。
妹は泣かなかったし、自分の記憶でも力を込めてなかったと思うのですが、今だ、思い出しては、果たして本当に痛くなかったのだろうかと思ってしまいます。
十数年後に妹に訊ねても覚えていませんでした。
しかし、私は叩かれてから、叩き返すまでの一秒にも満たない時間を悔いています。
私はあの瞬間、自分の中にもおぞましいモノがあることに気づきました。
どんなに理性で止めようとしても、いつか出てしまうのではないかという恐れが今だあります。

ですから、虐待のニュースを見ると、あのときの記憶がフラッシュバックしてくるので見たくないのです。

でも、現実から目を背けるわけにもいきません。
児童虐待が感じられる場面に出くわしたら、絶対に見てみないふりだけはしてはいけません。
いつの日か、虐待がなくなり、私の小説が完全なるファンタジー小説になることを心から願っています。
posted by 柚木郁人 at 11:23| Comment(0) | 日記

2018年06月07日

サイゾーに『三姉妹』を取り上げられる

編集から「おい、三姉妹が取り上げられてるぞ」とLINEが届く。



人に化ける猫がお爺さんに恋心を抱く『三姉妹』――「新感覚官能」のユニークな世界

 官能小説の代表的なカテゴリーといえば「SM」や「人妻」モノである。これらの二大シチュエーションは固定ファンも多く、昔から広く愛されている。特に、SM作家として永遠に語り注がれる団鬼六の作品は、1人の女性が陵辱される様子を緻密に描写し、最初は苦痛しかなかった行為に対して、少しずつ性の悦びを開花してゆく女性の強さや美しさ、艶かしさを瑞々しく表現し続けた。

 そんな中、最近少しずつ見られるのが「新感覚官能」である。不慮の事故により亡くなった女性が、秘めた思いを昇華させるために、見ず知らずの女性に憑依し、片思いの男性に抱かれる……など、摩訶不思議なシチュエーションに官能を乗せた物語も多く刊行されている。

 もちろん官能小説としても楽しめ、またストーリーもポップに描かれているので、女性も手に取りやすい作品が多いことが特徴だ。

三姉妹 (宝島社文庫)
柚木 郁人
宝島社
2011-09-06



 中でも面白かったのが柚木郁人の『三姉妹』(宝島社)。柚木は官能小説ファンを唸らせるようなダークで濃厚なセックスシーンを書く小説家だが、本作はとてもかわいらしいシチュエーションとキャラクターが描かれていて、女性にもおすすめの1冊である。

 本作の主人公は「猫」。主人公のアイは三毛猫三姉妹の末っ子。彼女が住むのどかな港町・桜絹市の三毛猫は、先祖代々、人間に恋をすると神様から「人」の姿を授かることができるのだ。

 アイは、猫の姿の時に迷子になり、助けてもらった老夫婦のお爺さんに恋心を抱き、人の姿に化ける。愛するお爺さんとの生活を守ろうとするアイだが、大切な妹を守るために狐に立ち向かう姉たちは、人として遊郭に沈められることとなってしまうのだ――。

 柚木氏ならではのしっとりとした官能シーンは健在ながらも、末っ子気質の愛らしいアイのキャラクターや、お爺さんとの微笑ましいやりとり、姉と狐との戦いなど、魅力的な登場人物が繰り広げる展開も素晴らしい。

 官能小説というと、湿度の高いダークなものを想像してしまうかもしれないが、こうした明るく和やかな作品も多く存在する。本作は、官能小説の可能性を強く感じさせる1冊である。
(いしいのりえ)


アタイは「これが官能小説だっ!」だっていうものを書けない。
でも言いたい。

これも官能小説だ!
posted by 柚木郁人 at 10:53| Comment(2) | 著作

2018年06月04日

禁断症状

某ペットショップに超絶可愛い猫が入荷されたという情報を悪魔から送られてくる。

絶対に見に行かないぞ。
飼えないんだから可愛い猫なんて見ても悲しくなるだけだ!

と私は懸命に訴えた。
だけど、悪魔は眼鏡の奥の瞳をサディスティックに輝かせながら言う。

「見てみろよ」
「すごい人なつっこい子だから」
「見たことない猫だよ」

悪魔に屈した。
昨日、見に行ってしまった。

確かにモコモコしていて可愛い。
でも、睡魔と戦ってウトウトしている姿も愛らしい。
これはヤバいと思って数十秒で立ち去った。



夢を見た。
その猫を飼っている自分がいた。
ほんとうに悪夢だ。
posted by 柚木郁人 at 10:51| Comment(0) | 日記

2018年06月02日

浜町から森下あたり

DSCF6641

昨日、Kindleでの第二作目の表紙を撮影しに浜町に行ってきました。
鞄の中にセーラー服を忍ばせて、人気のないところでセーラー服を出して、カメラでパシャパシャやっていたのですが、いやー、人って来るもんですね。
足音がするたびにセーラー服を鞄の中に隠して、素知らぬ顔をして行きすぎるのを待つのですが、場所が場所だけに私のことを非常に不審者と思ったことでしょう。

相手がじゃっかん早足で去りましたもの!


浜町から離れ、森下のカフェでお茶をしました。
門仲がカフェのメッカになっていますが、森下も個人経営のお洒落カフェが増えてきたように思えます。
私が住んでいるところにはそういうのはありません。
お洒落カフェできてください。







これの第二弾は三和出版の『蕾秘』の1、2巻をまとめた中編を計画してます。
できるかぎり早く出せるように加筆修正を頑張っています。





あと、電子と言えばこちらもお勧めです。


https://bookwalker.jp/campaign/9524/#
https://www.cmoa.jp/genre/193/
6/14までです。
尾髭丹のイラストは強烈ですね!





そうそう6月と言えば、官能講座です。
今年も開催されるようです。
毎回受講者のデビュー率はかなり高めなのではないでしょうか?

▼開講日 6月16、23、30日の各土曜日

6・16 深志美由紀 橘  真児
6・23 丸茂ジュン 桑原 茂一
6・30 蒼井 凜花 睦月 影郎

▼時間 14時〜17時
▼会場 産経新聞社東京本社(千代田区大手町1の7の2)
▼参加費 1回5000円
▼定員 各回40人
▼申し込み 03・3275・8948、FAX03・3243・8492。
はがきでの申し込みは、〒100−8140 千代田区大手町1の7の2 サンケイスポーツ文化報道部 おはよう面「性ノン講座」係まで。
講義終了後には、講師陣との懇親会(別会費、3000円)も予定しています。18歳以上ならば参加資格は問いません。女性の参加も歓迎いたします。

私は予定が合わずに行けなく残念です。
posted by 柚木郁人 at 11:34| Comment(0) | 東京漫録

2018年05月29日

舞妓さんちのまかないさん




これが週刊少年サンデーで連載が始まったとき驚きました。
サンデーですよ?
スポーツ物かバトル物か、恋愛物しかないサンデーがですよ。
そのすべてがないんですよ。
エロさえもありません。

ただ、淡々と日常が切り取られているだけです。
それでも、目が離せないのです。

舞妓という特殊な環境を覗き見る楽しさも確かにあると思います。
でも、きっとそれだけじゃ吸引力が弱すぎます。
そこでグルメなのですが、これが普通のグルメ漫画だったら京野菜や和食など、いかにも京都を感じさせてくるのでしょうが、『舞妓さんちのまかないさん』では、主人公のキヨ(16歳)の出身地である青森の郷土料理のほうが多いくらいです。
それがなんとなくホッとする料理なんです。
この魅力は作家性と言えるでしょう。
真似ようとしても簡単に真似られるものではありません。

そもそもまかないさんが16歳ってどう思いますか?
非現実でしょう?
しかも、元は舞妓を目指していたんですよ……地元の親友のすーちゃんと。
すーちゃんのほうはメキメキと頭角を現す一方で、キヨはお師匠さんに舞妓は無理だと言われ、偶然まかないさんになります。
どういうプロットですか!?

もちろん高校にも行ってません。
将来の不安……いえ、悔しさでその場に踏みとどまることもできないと思うのですが、キヨはまったく気にしてません。
すーちゃんが舞妓になったとき、すーちゃんは自分の嬉しさをキヨに素直に見せられないというシーンがあるのですが、キヨのほうから本気で喜んで抱きつくんです。
もうね、心が綺麗すぎて、穢れたおじさんの目から涙が出るってもんですよ。


サンデーのなかで異質な『舞妓さんちのまかないさん』はぜひ続いて欲しいです。
応援しています。
posted by 柚木郁人 at 11:22| Comment(0) | 本の紹介